この4年ほど、インクジェットプリンタでモノクロ写真をプリントしています。
先日のモノクロ普及委員会のグループ展に出展したこの作品は、エプソンのPM-4000PXでアルシュの水彩紙に出力したものです。
以前はインクジェットプリンタでプリントすると、どうしても赤みが強かったり青みが強かったりして、完全な白黒やムラのないウォームトーンを表現するために補正用トーンカーブを作ったりするなど苦心していました。
PX-5500など最新のプリンタは性能が向上し、モノクロ写真もきれいにプリントできるようになりましたが、そうそう買い替えるわけにもいきません。
で、ちょっと古い(?)エプソンのプリンタを使ってモノクロ写真をプリントしている人に朗報です。
QuadTone RIPというツールを使うと、今まで苦労していたのがウソのように簡単にモノクロ写真をプリントできるようになります。
http://www.quadtonerip.com/
クァッド・トーンというのは印刷の分野の言葉で、4色のインクでモノクロの微妙なトーンを表現する技術のことです。このツールではCMYK(シアン マゼンタ イエロー ブラック)の4色インクでモノクロのトーンを表現する意味に使っているようです。
QuadTone RIPはメーカ純正のプリンタドライバの代わりになるもので、純正のプリンタドライバはユーザがインク各色の使用量を個別に0〜100%までコントロールすることはできませんが、QuadTone RIPはそれを可能にします。すなわち、これまでモノクロ写真をプリントするとどうしてもシアンやマゼンタのインクも使ってしまうので、それが色の転びの原因になっていたのですが、たとえばブラックやライトブラックだけを使ってプリントすることが可能になります。
これはシェアウェアで、使用料は$50です。
以下に、自分の備忘録も兼ねて、MacとエプソンPM-4000PXを使う場合のインストール方法をメモします。
1. ダウンロード
MacOS 10.4では、ダウンロードすると自動的にディスクイメージをマウントします。
現時点での最新バージョンは2.5.1。
2. ドライバのインストール
3. プリンタの準備
FireWire接続では認識できないので、要注意。
4. プリンタドライバの追加
※PM-4000PXの北米市場での名称はStylus Photo 2200なので、これに合わせます。もしほかのプリンタを使用する場合も、同様です。
5. 機種と用紙別のプロファイルの追加
QTRIP2.5のフォルダにあるProfilesフォルダを開き、2100-2200-UCフォルダを開きます(PM-4000PXを純正インクで使用している場合。UCは純正インクの英語名UltraChromeの略です)。このフォルダには用紙と色味別のインク使用量を記述したテキストファイルが収められています。
Install2200というファイル(ターミナルのスクリプト)をダブルクリックすると、このフォルダのファイルをQuadTone RIP用のデータファイルに変換し、所定のフォルダ(/usr/share/cups/quadtone)へコピーします。
これでインストールは完了です。
使い方と、自分の使用する用紙に合わせたプロファイルの作成手順についてはまた後日紹介します。
Windows用のQuadTone RIPはMac版と異なり、プリント専用アプリケーションになっています。こちらのブログ BW photography on digital darkroom で紹介されています。
はじめまして,こんにちは。
大変参考にさせていただいております。私もQTRをインストールしてみたのですが,どうしてもプロファイルのインストールに失敗してしまいます。cannot find usb printer name with 2200…というメッセージが出てしまいます。こちらはOS X 10.3 です。なにかアドバイスいただけないでしょうか。
はじめまして>新井さん
MacOSの10.4は割と簡単に使えるようになるのですが、10.3の場合はひと工夫しないとダメなんです。
こちらの記事はごらんになりました?
Mac OS10.3とQuadTone RIP
http://blogs.dion.ne.jp/eights_studio/archives/5749033.html
Mac OS10.3とQuadTone RIP(追加情報)http://blogs.dion.ne.jp/eights_studio/archives/5753930.html
ありがとうございます。せっかく出してくれた追加情報の手前で断念してしまいました。結局10.4をインストールして,見事に悲願のモノクロプリントを実現しました。マット紙への出力にかなり満足することができました。PM-4000PXも捨てたものではありませんね。