5年間使い続けているインクジェットプリンタPM-4000PXが、インクの目詰まりを起こしてしまったので修理に出しました。
イギリスのライソン社のCave Paint Pigment Inkという、エプソン純正より色域が広いとされる代替インクを使っていたところ、マゼンタだけが詰まってしまいました。
また、同社の連続供給システムも使っていたのですが、インクのボトルの液面の高さによってインクの吐出圧が変わってしまうので、インクが垂れて用紙を汚すことも少なくありませんでした。
国内では販売代理店がなく、個人輸入しか入手方法がないのも不便でした。
以前にもマゼンタだけが詰まって修理していたことがあったので、今回の修理を機に、ライソン社のインクと連続供給システムを使うのをやめることにしました。
(同社のホームページにアクセスすると、Cave Paint Pigment Inkが載っていなかったので、どうやら型落ちしたようです)
代わりに使ってみることにしたのが、昨年発売されたスーパーモノクロームインクです。
カラーのインクの代わりに、濃さの異なるグレーのインクを使ってなめらかなグラデーションと色転びのないモノクロプリントを実現しようというものです。
googleなどで検索してみると、ショップの情報がほとんどで、実際に試した人のインプレッションがほとんどありません。
純正ではないサードパーティのインクだし、一度使ってしまうとカラーのインクに戻すのが大変そうだしで、二の足を踏む人が多いのでしょう。。。
プリントサンプルを取り寄せたユキヒロさんのブログが、もっとも詳しい唯一の情報です。
ということで、人柱になってみました(笑)
以前にレポートしたQuadTone RIPを使って、プロファイルも作って和紙やマット紙、光沢紙に印刷してみました。
はたして、結果は。。。
結論から行くと、きれいなモノクロプリントが得られますが、誰にでもおすすめできるとは正直言いがたいです。
私が買ったパッケージがたまたまハズレだったのかもしれませんが。
モノクロのグラデーションは、きれいなほうだと思います。
7色全てを使うため、インク滴のツブツブザラザラ感もありません。
でも、QuadTone RIPがあれば、純正(私はライソンでしたが)のブラックとグレーのインク2色だけでも十分なグラデーションが得られるので、7色全てをグレーインクにする必要があまり感じられませんでした。
QuadTone RIPのような特殊なツールを使わなくとも、カラーの画像をそのまま印刷するだけでもきれいなモノクロプリントを得られる(はず)ので、手軽さを求めるユーザーにはメリットはあると思います。
あまりおすすめしない理由は、
- 新品のカートリッジは、空気口の赤色キャップを説明書通りに90度回してもインクがなかなか出てこない。シリンジ(注射器)などで吸い出す必要がある。インクの詰め替えや連続供給を経験したことがない人には、どうやればいいかわからないはず。
- インクの吐出圧が安定していないのか、ヘッドからインクが垂れてプリンタ内や用紙を汚すことがある。
- 黒の濃度の濃い部分は、こするとインクが指につく(前述のユキヒロさんのブログにもあります)。光沢紙だけでなくマット紙や和紙でも同様。これでは銀塩写真のように重ねてボックスにしまうときに難あり。いちいち合紙を入れるのも。。。
- 説明書にない重要な情報(カラーからモノクロへカートリッジを交換した直後はイエローのインクが抜けにくい)がウェブサイトのリンクの分かりにくいページにある(http://www.e-close-up.com/support/inks/monochrome_tips.html#printing_tips )。
など。
初心者に優しいとは言えず、使い手を選ぶような印象です。
もう少し使いやすければ。。。
こんなの気にならない!というお方は、お試しください。
ライソン同様に海外のメーカーが作っている7色グレーのPiezography Neutral K7というインクよりは安いし入手性もよいです。
ともあれ、今入っているインクを使い切ったら、純正に戻すつもりです。
どうやってヘッドをクリーニングしようかな。。。
ちなみに、エプソンのプリンタの修理はドアtoドアサービスを利用しました。
1,575円の送料がかかりますが、大きなA3プリンタを抱えてお店に持ち込む手間を考えると、集配してくれるほうが助かります。
インク詰まりの修理費は送料込みで8,000円程度でした。
取り外したライソンの連続供給システムは、チューブを水洗いしてみるとマゼンタだけがインクが流れません。チューブの中で詰まってます。
マゼンタが固まりやすいのが、インク詰まりの原因だったようです。